BUILDING/DESIGN/CONSTRUCTION

建設‧設計‧施⼯

一重殻地下タンク、埋設配管などの
老朽化対策について、施設に適切な
対応と対策でご提案します。

老朽化タンクの経年変化による腐食が土壌への油漏洩事故の要因として社会問題化しています。
当社は、これまで培った危険物施設関連のノウハウを最大限に活かして、数ある選択肢の中から、その施設に最も有効で、コスト面のメリットが高い老朽化対策を提案していく方針です。

地下タンク⽼巧化対策⼯事

漏洩事故防止対策を定めた改正消防省令が平成23年2月1日に施行され、老朽化タンクを継続使用するための条件が設定され、対策の具体的措置として「FRP内面ライニング工事」「電気防食工事」「高精度油面計の設置」が適合しています。
当社は、これらの措置に全方位で対応しています。

省令改正のポイント

1.改正点

地下貯蔵タンクのうち地盤⾯下に直接埋設された腐⾷の恐れが(特に)⾼いものについて、危険物の流出防⽌対策を⾏うための改正の他、規制の合理化を図る等の所要の改正を⾏う。

2.概要

地下貯蔵タンクの流出事故防⽌対策について

  • ⽼巧化タンクを対象に腐⾷ランクが定義かされ、該当するタンクは措置を講じる義務が発⽣します。
  • 対象は「地盤⾯下に直接埋設された⼀重殻鋼製地下貯蔵タンク」です。
  • 直埋設の⼀重殻鋼製地下貯蔵タンクは、塗覆装の種類‧埋設年数‧板厚(設計板厚)により、下記3点に分類され対策を⾏う必要が⽣じます。
①「腐⾷のおそれが特に⾼いもの」
→ 「危険物の漏れを未然に防⽌する装置」
②「腐⾷のおそれが⾼いもの」
→ 「危険物の漏れを早期に検知する装置」
③「それ以外のもの」
→ 「現⾏基準のとおり」

3.公布‧施⾏期⽇

平成22年6⽉28⽇公布‧平成23年2⽉1⽇施⾏(流出事故防⽌対策は2年間の猶予期間が設定された)

4.直接埋設式⼀重殻タンクの腐⾷ランク

平成22年6⽉28⽇公布‧平成23年2⽉1⽇施⾏(流出事故防⽌対策は2年間の猶予期間が設定された)

塗覆装の種類 埋設年数 板厚(設計板厚) 地下タンクの腐食ランク
腐食のおそれが
特に高いもの
腐食のおそれが
高いもの
モルタル 50年以上 8mm未満
8mm以上
40年以上~50年未満 6mm未満
6mm以上 現行基準のとおり
30年以上~40年未満 4.5mm未満
4.5mm以上 現行基準のとおり
アスファルト 50年以上 全ての設計板厚
40年以上~50年未満 4.5mm未満
4.5mm以上
30年以上~40年未満 6mm未満
6mm以上 現行基準のとおり
20年以上~30年未満 4.5mm未満
4.5mm以上 現行基準のとおり
タールエポキシ 50年以上 6mm未満
6mm以上
40年以上~50年未満 4.5mm未満
4.5mm以上 現行基準のとおり
FRP 50年以上 4.5mm未満
4.5mm以上~12mm未満
40年以上~50年未満 4.5mm未満

5.直接埋設式⼀重殻タンクの具体的措置

腐⾷のおそれが
特に⾼いもの
告⽰、第四条の四⼗七の三

危険物の漏れを
「未然に防⽌」する措置

具体的措置FRP内⾯ライニング

OR電気防食措置

腐⾷のおそれが
⾼いもの
告⽰、第四条の四⼗九の三

危険物の漏れを
「早期に検知」する措置

具体的措置常時監視措置

ORFRP内面ライニング

OR電気防食措置

それ以外のもの

現⾏基準のとおり

具体的措置漏洩検知管による
定期的な確認

OR常時監視措置

※常時監視とは直径0.3mm以下の開口部から危険物の漏れを常時検知できる設備と定義され、
全国危険物安全協会が評定機器として評定した「高精度油面計(電磁油計GOM-980EC-B型、C型)」がひとつの手法となります。

具体的措置

1.FRP内⾯ライニング⼯事

「FRP内⾯ライニング」は⼀重殻タンクの内⾯にFRPシートでコーティングしていく⼯法です。⼯場で⽣産されるシートは完全な脱泡処理が⾏われており、材質や厚みが均⼀なので、安定した品質を維持しています。
省令改正後、当社は全国各地で数多くの施⼯実績を重ねています。

2.電気防⾷⼯事

地下タンクや埋設油配管に施された塗覆装は、腐⾷環境と絶縁する役割を担っていますが、その塗覆装の役割を補完する腐⾷防⽌対策の⼀つが「電気防⾷」です。電気防⾷⼯事は、地下タンクや埋設油配管に⼈為的に継続して直流電流を流すことで、電気的化学反応である腐⾷を防⽌する⽅法です。電気防⾷には「流電陽極⽅式」と「外部電源⽅式」の2種類があります。

外部電源方式
外部電源方式の概念図

土壌中に耐久性の高い電極を設置して、これを直流電源装置の+端子に、また地下貯蔵タンク等の防食対象物をその-端子に電線を用いて接続し、電極から土壌や水などの電解質を通して防食する方法です。

流電陽極方式
流電陽極方式の概念図

土壌や水などの電解質中にある地下貯蔵タンク等の防食対象物よりも低電位な金属(マグネシウム等)の陽極を電気的に接続(電線や溶接などを用いる)して防食する方法です。

3.高精度油面計の設置

高精度油面計は、地下タンクにおいて直径0.3mm以下の開口部からの危険物の漏れを検知することができ、かつ自動的・継続的に漏れの監視を行い、漏れを検知した際には、直ちに報告する機能を有することが要件となります。
当社製「電磁油面計」(型式:GOM-980EC-C)は地下タンクの在庫管理を基本性能としながら、“漏洩テスト機能”で常時監視機能も具備しており、改正消防省令の具体的措置に適合しています。
本機は、対象タンクが「腐食のおそれが特に高いもの」に移行した後も、高精度な漏洩検知装置として、将来にわたり、その役割を担います。

4.新規タンク入替工事

当社では、老朽化対策の根本的な措置として新規タンクの入替で対応する場合に備え、FsFタンク『プレミアムタンク(エコマックスG)』をご用意しています。
Gコート、内殻(鋼板)、間隙、外殻(FRP)の4層構造を採用しており、漏洩検知器の漏洩監視とともに漏洩要因からタンクを強靭にガードします。