給油施設の定期点検について
計量法・消防法に基づく給油施設の点検
給油施設には、計量法・消防法により、以下の点検が義務付けられています。
燃料給油機の検定有効期間の更新(計量法 第2条2項、第16条、第72条、計量法施行令 第18条)
(定義等)計量法 第2条2項
この法律において「取引」とは、有償であると無償であるとを問わず、物または役務の給付を目的とする業務上の行為をいい、「証明」とは、公にまたは業務上他人に一定の事実が真実である旨を証明することをいう。
(使用の制限)計量法 第16条
次の各号に該当するものは、取引または証明における法定計量単位による計量に使用し、または使用に供するために所持してはならない。
- (1.) 計量機でないもの
- (2.) 次に掲げる特定計量機以外の特定計量機
検定証印が付されている特定計量機(第72条)
指定製造事業者の表示が付されているもの(第96条) - (3.) 検定証印等の有効期間を経過したもの(第96条)
(計量法 第2条2項、第16条、第72条、計量法施行令 第18条)検定有効期間(計量法施行令 第18条別表3より)
特定計量機
ハ 燃料油メーター
(1)自動車の燃料タンク等に燃料油を充てんするための構造を有するものであって、
給油取扱所に設置するもの
計量法罰則について(抜粋)
先の規定を違反した場合、下記の罰則が科せられます。「燃料給油機の検定有効期間の更新(計量法)」
計量法第172条
次の各号のいずれかに該当する者は、6ヶ月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する。
次に該当するものは、取引または証明における計量に使用してはならない。(計量法 第16条 使用の制限)
- (1.) 計量機でないもの
- (2.) 検定証印のない特定計量機
- (3.) 型式承認のない特定計量機
- (4.) 有効期限を経過したもの
計量法第173条
次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
- (1.) 規定された計量単位の使用(計量法 第8条:非法定計量単位の使用の禁止)
- (2.) 使用範囲、方法を政令で定められた特定計量機での計量(計量法 第18条:使用方法の制限)
- (3.) 政令で定める商品(特定商品:オイル等)を販売するときは、政令で定める誤差(量目公差)を超えないように計量しなければならない(計量法 第15条:勧告等)
計量法 第177条
法人の代表者または法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関し、第172条から第175条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人または人に対して、各条の罰金刑を科する。
地下タンクおよび地下埋設配管の漏れの点検(消防法 規則第62条5の2および規則第62条の5の3)
地下タンクおよび地下埋設配管の漏れの点検および点検方法に関する規定は下記の通りとなります。
漏れの点検に関する規定 | 点検方法に関する規定 | |
---|---|---|
地下タンク | 規則第62条の5の2 | 告示第71条 |
地下埋設配管 | 規則第62条の5の3 | 告示第71条の2 |
※さらに、これら具体的な点検要領について消防危第33号により定められています。
点検周期(消防危第33号より)
点検周期の区分
漏れの点検の周期は、対象となる設備等の種類に、設置年数や不具合発生時の対策等を加味して規定されていること
(規則第62条の5の2第2項および第62条の5の3第2項、告示第71条第4項および第71条の2第3項)
対象 | 点検周期 | |
---|---|---|
地下タンク 地下埋設配管 |
下記以外 | 1年以内 |
次のいずれかに該当するもの 〇完成検査(設置・交換)を受けた日から15年を超えないもの 〇危険物の漏れを感知(※1)しその漏洩拡散を防止するための措置(※2)が講じられているもの |
3年以内 | |
FRP外郭 | 3年以内 |
- (※1)危険物の漏れを次のいずれかにより1週間に1回以上確認していること。
○漏えい検査管(区画内設置)
○在庫管理(貯蔵・取扱い数量の1/100以上の精度) - (※2) タンク室、さや管その他漏れた危険物の流出を防止するための区画が地下貯蔵タンク・地下埋設配管の周囲に設けられていること。ただし、地下埋設配管にあっては、当該配管に電気防食の措置が講じられている場合または当該配管が設置される条件の下で腐食するおそれのないものである場合にあっては、この限りでない。
施設の定期点検(消防法 法第14条3の2、規則第62条の4)
消防法 第14条の3の2
政令で定める製造所、貯蔵所または取扱所の所有者、管理者または占有者は、これらの製造所、貯蔵所または取扱所について、総務省令で定めるところにより、定期に点検し、その点検記録を作成し、これを保存しなければならない。
消防法 施行規則第62条の4
- 第1項
- 法第14条の3の2の規定による定期点検は、1年(告示で定める構造または設備にあっては公示で定める期間)に1回以上行わなければならない。
- 第2項
- 法第14条の3の2の規定による定期点検は、法第10条第4項の技術上の基準に適合しているかどうかについて行う。
消防法 第10条の4
製造所、貯蔵所および取扱所の位置、構造および設備の技術上の基準は、政令でこれを定める。
消防法罰則について(抜粋)
消防法 第16条の3
- 第1項
- 製造所、貯蔵所または取扱所の所有者、管理者または占有者は、当該製造所、貯蔵所または取扱所について、危険物の流出その他の事故が発生したときは、直ちに、引き続く危険物の流出および拡散の防止、流出した危険物の除去その他災害の発生の防止のための応急の措置を講じなければならない。
- 第2項
- 前項の事態を発見した者は、直ちに、その旨を消防署、市町村長の指定した場所、警察署または海上警備救難機関に通報しなければならない。
- 第3項
- 市町村長等は、製造所、貯蔵所(移動タンク貯蔵所を除く)または取扱所の所有者、管理者または占有者が第1項の応急の措置を講じていないと認めるときは、これらの者に対し、同項の応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。
消防法 第39条の2
- 第1項
- 製造所、貯蔵所または取扱所から危険物を漏出させ、流出させ、放出させ、または飛散させて火災の危険を生じさせた者は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処する。ただし、公共の危険が生じなかったときは、これを罰しない。
- 第2項
- 前項の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役または500万円以下の罰金に処する。
消防法 第39条の3
- 第1項
- 業務上必要な注意を怠り、製造所、貯蔵所または取扱所から危険物を漏出させ、流出させ、放出させ、または飛散させて火災の危険を生じさせた者は、2年以下の懲役若しくは禁錮または200万円以下の罰金に処する。ただし、公共の危険が生じなかったときは、これを罰しない。
- 第2項
- 前項の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮または300万円以下の罰金に処する。
消防法 第44条
次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金または拘留に処する。
- 第4項
- 第14条の3第1項若しくは第2項または第17条の3の2の規定による検査を拒み、妨げ、または忌避した者
- 第5項
- 第14条の3の2の規定による点検記録を作成せず、虚偽の点検記録を作成し、または点検記録を保存しなかつた者
消防法 第45条
法人の代表者または法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
- 第1項
- 第39条の2の2第1項または第39条3の2第1項 1億円以下の罰金刑
- 第2項
- 第41条第1項第3号または第5号 3,000万円以下の罰金刑
- 第3項
- 第39条の2第1項若しくは第2項、第39条の3第1項若しくは第2項、第41条第1項(同項第3号および第5号を除く)、第42条第1項(同項 第7号および第10号を除く)、第43条第1項、第43条の4または前条第1号、第3号、第11号若しくは第12号 各本条の罰金刑